季節の植物や昔の人の思いがこもった伝統的な柄を多様に使う小紋。柄によっては、どの季節に着るべきか戸惑ってしまう方が多いようです。今回は、小紋の柄の種類と季節との関係をまとめてご紹介します。
小紋によく使われる柄とは?
上品な柄からカジュアルな柄まで幅広く楽しめる小紋。よく使われている小紋の柄をジャンル別にみていきましょう。
幾何学模様の小紋
小紋の柄の中でも多くみられる幾何学模様は、点や線でシンプルな柄。江戸小紋三役と呼ばれる鮫、角通し、行儀をはじめ、大小あられ、万筋、市松、七宝、亀甲、青海波、麻の葉、縞などがあります。
植物の小紋
草木、花、果実、蔦(つた)などの植物の柄は、さまざまな着物に用いられています。四季を愛する日本人の感性に合った美しさが魅力です。
生活にまつわる小紋
身の回りにある道具を模様にしたものです。扇子や鼓、大工道具、身に着ける装飾品など親しみやすい柄が多くあります。
風物詩にまつわる小紋
節分やお雛様、こいのぼりなど季節の行事をとりいれたユニークで粋な柄です。
文字模様の小紋
おめでたい文字や願いを込めた文字を柄にしたもので、福、寿、吉、夢、花鳥風月などがあります。
想像上の動物・植物の小紋
物語などに出てくる想像上の動物や植物の模様には、鳳凰、天馬、竜、花喰鳥(はなくいどり)唐草、宝相華(ほうそうげ)などがあります。独特の雰囲気をもち、個性的な印象を演出してくれます。
縁起物の小紋
七福神に由来する打出の小槌やお金を入れる袋の金嚢(きんのう)など、華やかでおめでたい柄。ご祝儀の着物や帯、小物などにも用いられます。
小紋の柄と季節の合わせ方
しゃれ着である小紋は柄によって、着る季節が決まっているもの、決まっていないものがあります。季節を感じながら着物を着たい場合には、こちらの小紋がおすすめです。
季節がはっきりしている植物の小紋
それぞれの四季を代表する草花がメインで描かれている小紋は、季節の空気感を演出しながら着物を楽しむことができます。
春なら桜や梅、夏ならあじさい、朝顔、秋なら紅葉、菊、冬なら椿など上手に草花の旬に合わせて粋な着こなしができるでしょう。
季節の行事をあらわした小紋
行事をあらわすような、羽子板、お雛様、こいのぼり、風鈴、花火などの柄も、季節感が出せる小紋の柄。行事の時期とずれて着るとちぐはぐな印象になってしまうので、着るタイミングを逃さないように注意しましょう。
季節感のある小紋のときは着るタイミングも大切
季節感のある柄の小紋を着るときのポイントは、描かれている模様の旬を後取りにしないこと。桜の小紋でしたら、満開や散り始める旬の終わりの時期は避け、少し早めの3分咲きくらいに着るのがベスト。
季節の訪れに合わせて季節を表現でき、自然な着こなしができます。また、小紋の柄と季節を合わせるだけではなく、色合いを季節に合わせるのもポイント。
花の多い季節は落ち着いた色合いの小紋、花の少ない季節には華やかな色合いの小紋を着るようにすると景色になじみ、よりこなれた雰囲気の装いができるでしょう。
季節にとらわれない小紋の柄もある
季節を選ばずに着ることができる小紋の柄がこちら。普段から着物をメインに生活をしている人やお茶などのお稽古で着る機会が多い人に重宝する小紋の柄です。
- 幾何文様
- 生活にまつわる柄
- 人物
- 字文様
- 想像上の動植物
このほかにも、いろいろな柄を寄せあった「寄せ小紋」や四季の草花を取り混ぜて描かれているような柄の場合も、季節を問わず着ることができます。
季節も楽しめる小紋はいろんなシーンに活躍
季節にとらわれず普段着として着ることも、季節を感じながらおしゃれを楽しむこともできる小紋。いろいろなシーンに合わせて日本の趣を身にまとうことができるのが魅力です。
晴れ着の丸昌池袋店では、お出かけにぴったりの小紋をレンタルしています。年代、好みに合わせやすい多彩な小紋をラインナップ。ネットやカタログからじっくりお選びいただけます。
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