小紋には、興味深くておもしろい意味が込められた柄が多くあります。小紋柄のルーツを探ってみると、昔の人々の考え方や想いなどを読み取ることができます。今回は、小紋がもつ意味について探ってみましょう。
江戸小紋三役に込められた意味
型染めで微細な文様をあらわした小紋で知られる「江戸小紋」。基本的に一色染めで遠目には無地に見え、間近で見ると細密な柄が浮かび上がるように染められています。
江戸小紋は数千種あるといわれています。なかでも「鮫」「角通し」「行儀」という三つの文様は格が高く「江戸小紋三役」と呼ばれ、江戸小紋を代表する文様です。
鮫/SAME
細かい粒で扇形の模様を斜めに重ね、鮫皮状に染め抜いた文様。鮫の肌は固いことから小紋にすることで鎧に例えられ、厄除け・魔よけといった意味をもつといわれています。
角通し/KAKUDOOSHI
角通しは、ごく小さな点が垂直にきちんと並べられた文様。もっとも古い文様の一つで、縦にも横にも筋を通すという意味合いから名付けられました。
行儀/GYOUGI
角通しに似ている行儀小紋ですが、細やかな点が斜めに並んでいるのが特徴です。45度に交差する点が、丁寧なお辞儀をしている姿に見えることに由来。行儀作法の礼を尽くすという意味にふさわしい文様です。
昔の人々の想いが込められた小紋
小紋には昔の人々の想いが込められ、現代に至っても縁起の良い文様として愛され続けています。
鱗/UROKO
正三角形や二等辺三角形を重ねて、蛇の鱗に見立てたシンプルな文様です。脱皮を繰り返す蛇にちなんで「厄を落とし再生する」「厄を脱ぎ払う」という意味があると信じられ、江戸時代には厄除けの文様とされてきました。
七宝つなぎ/SHIPPOUTSUNAGI
同じ大きさの円を規則正しく、四分の一ずつ重ねて配列させた文様を七宝つなぎといいます。「四方」が「七宝」と変化したという説もあり、七宝を構成する円形が四方に無限に連鎖するさまから、平和や円満、子孫繁栄を意味するとても縁起の良い文様です。
松葉/MATSUBA
落ち葉になっても二本の葉の元がしっかりと繋がり、離れ離れになることのない松葉は縁起物として人気の文様です。離れないさまから、夫婦円満の意味もあるのだとか。
籠目/KAGOME
竹で編んだ籠のような規則正しく連続した網目を文様にしています。六芒星にも見えることから、魔除けの意味をもつともいわれています。
麻の葉/ASANOHA
魔除けの意味があるとされる麻の葉。六角形に整然と並ぶ古典的な文様で、大麻(おおあさ)の葉に似ていることから呼ばれるようになりました。
すくすくと生長が早いことで知られる麻。子どもの成長を願って、小紋以外にも赤ちゃんの産着や肌着によく使われてきた柄でもあります。
青海波/SEIGAIHA
青海波は、日本の伝統的な文様のひとつ。魚のウロコのように見える柄ですが、漢字の八など、波が末広がりに広がっていくさまを表して、縁起が良い文様。「平穏な暮らしがいつまでも続くように」などの意味が込められているといいます。
時代を超えて今も愛されつづける小紋
小紋には、子孫繁栄・幸福・円満などさまざまな願いが込められています。小紋を深く知ることで、昔の人々の生き方や考え方が伝わります。意味を知って着る小紋はまた格別。遠い昔の人々に想いを馳せながら小紋を着てみるのも素敵ですよ。
小紋の楽しみといえば多彩な色と柄。晴れ着の丸昌池袋店では多種多様な小紋を取り揃えております。あなたにぴったりの小紋をぜひ見つけてください。
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