訪問着は、留袖につづく格式を持つ準礼装着物。既婚・未婚を問わずにさまざまな場面で着用できる、とても万能な衣裳です。今回は訪問着の特徴と着用シーンに適した選び方をご紹介。格シーンに合うレンタル訪問着もご提案していますので、セレクトの参考にしてください。
訪問着の歴史は意外と新しい!?
訪問着は大正時代に誕生した着物。着物の歴史の中では、比較的新しい部類に入ります。訪問着が登場するまでの着物には、留袖といったフォーマルなものと小紋などの日常で着るもの、2つのタイプしかありませんでした。
時代とともに人々の暮らし方が変わり、服装においても洋装の人気が高まったことから、フォーマルウェアと日常着の中間にあたる位置づけの着物が求められるようになります。そこで誕生したのが「訪問着」です。
美しい絵羽模様が訪問着の特徴
訪問着には、肩から胸や袖にかけて流れるように模様が施されています。これを「絵羽模様」といい、ほとんどの場合、縫い目に関係なく1つの絵のように美しくつながっています。
訪問着は着用できる場面が幅広いため、描かれる絵柄は古典柄から洋花をあしらったものまでバラエティーに富んでいます。
帯は袋帯を合わせることが多く、下に着る長襦袢は訪問着の色や絵柄との組み合わせを考慮して色物か白色のものを選びます。
訪問着には季節に合わせた仕立てがある
訪問着の仕立てには、「袷(あわせ)」「単衣(ひとえ)」「絽(ろ)」という種類があります。「袷」は、春・秋・冬季に着用する裏地のついた比較的厚手の着物。
6月や9月などの季節の中間に着るのが裏地をつけずに仕立てられた「単衣」。風通しのよい生地を使用して裏地をつけずに仕立てられた「絽」は、夏用です。
このように季節に合わせた仕立ての種類がありますが、エアコンの普及により近年では季節を問わず「袷」を着用することが多いようです。
訪問着の着用シーン
訪問着はゲストとして招待された結婚式や披露宴、パーティー、お茶会など少し改まった服装が求められるシーンで幅広く着用される着物。
また、お宮参りや七五三、卒業式、入学式など、お子さまの行事で着るお母さまの衣裳としても大変重宝されています。
留袖や付け下げとの違い。どうやって見分けるの?
訪問着と同じく、絵柄の入った着物に色留袖や付け下げがあります。それぞれ異なる特徴と格式をもっていますので、着用には区別が必要です。
色留袖との違い
訪問着と異なり、色留袖は上半身に絵柄がありません。色留袖には紋が入り、格式の高さも訪問着より上がります。結婚式や慶事など、正礼装が必要な改まった席で着用します。
訪問着に紋をつければ色留袖と同等の格式になりますが、幅広く着用できるよう紋をあえて入れないケースが多いようです。
付け下げとの違い
付け下げと訪問着は見た目がよく似ています。見分けるポイントは絵柄のレイアウトで、縫い目にかからないよう模様を分割しているのが付け下げ。模様が縫い目をまたぐ訪問着より仕立ての時間や手間がかからないため、格付けは訪問着のやや下になります。
とはいえ、現在は着物の捉え方が多様化。絵柄の控えめな訪問着として付け下げを着用する場合もあり、お子さまの入学式や卒業式に着るお母さまもいらっしゃいます。シーンに合う帯を選べば、着こなす幅がグンと広がる着物です。
シーンに合った訪問着の選び方
結婚式や披露宴をはじめ、パーティー、お茶会、お子さまの成長の節目など、社交的な場面で幅広く着用できる訪問着。華やかなものから控えめで繊細なものまで幅広くあり、TPOに合わせた着こなしが必要です。着用するシーン別に、訪問着の選び方をご紹介します。
披露宴やパーティーなど華やかなシーン
結婚式や披露宴、パーティーなどお祝いの場では華やかな訪問着がよいでしょう。大きめのモチーフが描かれたものや金彩の入ったものがおすすめ。年齢の若い方は全体的に模様が入った明るい生地のもの、年齢が高めの方は落ちついた色合いで裾に模様の多いものが似合います。
淡いニュアンスの地色が多いのですが、古典柄や吉祥柄であれば紫など派手なカラーでもフォーマルに向いています。
入学式や卒業式、七五三など子どもの行事
子どもの行事では、披露宴などで着る華美な訪問着だと少し派手な印象になります。あくまで主役はお子さま。お母さまは上品で主張しすぎない装いが適していますので、控えめな色や柄の訪問着を選びましょう。
入学式や卒業式は春、七五三は秋と着用する季節が異なるため、季節を問わない絵柄を選ぶと着まわしの幅が広がります。
着回したいけど毎回同じものはちょっと…という方は、帯で印象を変えるのもひとつの方法。控えめでシンプルな訪問着はいろいろな帯に合わせやすく、イメージの違うコーディネートを楽しめます。
お茶会やちょっとしたおよばれ
お茶会などの場合は、控えめで品格のあるものがおすすめ。小さめの古典柄であれば、間違いありません。
上品な訪問着はお子さまの卒業式・入学式にも着用できますし、華やかなデザインの帯に変えれば結婚式や披露宴などでも着られて重宝します。
とはいえ、ちょっとしたパーティーなどカジュアルなおよばれであれば、訪問着だと改まった印象になりすぎてしまうことも。その場合は、付け下げを着用しましょう。
それぞれのシーンに最適な、おすすめ訪問着を5つご紹介します。
訪問着レンタルHRB420 A2(身長160cm前後、9-13号、ヒップ85cm-100cm)
淡い水色の涼しげな地色に、花模様がたくさんあしらわれた華やかな印象の訪問着です。流れるような道長取りデザインが気品にあふれ、優雅な印象を演出。お祝いの席にもぴったりです。
>>訪問着レンタルHRB420 A2(身長160cm前後、9-13号、ヒップ85cm-100cm)の詳細はこちら
訪問着レンタルHRB554 A3(身長165cm前後、9-13号、ヒップ85cm-100cm)
控えめなイエローの地色に紫からピンクへのふんわりとしたグラデーションが加わった、とてもエレガントな印象の訪問着。ほどよくあしらわれた季節の草花や宝尽くしが、控えめさのなかに華やかさをもった品のある美しさをかもしだしています。
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訪問着レンタルHRB556 A3(身長165cm前後、9-13号、ヒップ85cm-100cm)
上品な淡いピンクの地色にちりばめられた小花柄が大人のかわいらしさを際立たせる、可憐な訪問着。全体的にすっきりとしながらも、やわらかな雰囲気をもった絵柄は女性らしい粋を感じます。小柄な方にもよく似合います。
>>訪問着レンタルHRB556 A3(身長165cm前後、9-13号、ヒップ85cm-100cm)の詳細はこちら
訪問着レンタルHRB424 A2(身長160cm前後、9-13号、ヒップ85cm-100cm)
明るく初々しい水色を地色に使った、かずら帯が美しい訪問着です。華やかな絵柄にはおめでたい貝桶や百花が描かれ、お祝いごとに最適。場の雰囲気を、明るく艶やかに彩ってくれることでしょう。
>>訪問着レンタルHRB424 A2(身長160cm前後、9-13号、ヒップ85cm-100cm)の詳細はこちら
訪問着レンタルHRB414 A2(身長160cm前後、9-13号、ヒップ85-100cm)
淡いブルー地にやさしいニュアンスの黄色ベージュが流れるように広がり、胸元で異なるカラーが重なる個性的な訪問着。パープル・ピンク・ホワイトの花々が咲き誇り、パーティーなどにもおすすめの一着です。
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訪問着レンタルHRB414 A2(身長160cm前後、9-13号、ヒップ85-100cm)の詳細はこちら
訪問着を着てシーンを鮮やかに彩ろう
訪問着は幅広い用途で年齢を問わずに着ることができる着物。だからこそ、シーンの品格を理解したうえで、それに合わせた訪問着を選ぶことが大切です。
晴れ着の丸昌池袋店では、フォーマルシーンで着用する華やかなデザインから、品よく落ち着いたおよばれに適したものまで多彩に取りそろえています。いろいろな場面で訪問着を着て、シーンを鮮やかに彩ってみてはいかがですか。
※この記事は2017年4月13日に公開したものを、加筆・更新しています。
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